約 5,426,708 件
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/4103.html
『勝利条件』 10KB 戦闘 群れ 希少種 失礼します ※ ゲスな人間がゆっくりに返り討ちにされるお話です。 ※ 賢いゆかり出てきます チートあきです 灰色の雲が低く空を流れている。秋も深い日だった。 とある村の近くある山。それほど高くはないが、傾斜が急だったり、植生が濃かったり するため、危ないので地元の人間は近付かない。そこにはゆっくりが住み着いていた。 畑には手を出さず、時々山菜と野菜クズを交換したり、山頂の小さな社を掃除したりと、 真面目に人間と共生しているゆっくりたちだった。 「死ねぇ、クソ饅頭がああぁ!」 「ゆんやあああ!」 「なんでだぜええ! 「むっきゃあああ!」 左手にボロ袋を持ち、右手で棒を振り回し、山道を男が一人歩いていく。ボサボサの髪 の毛、無精ヒゲ、ボロボロの上着に不健康そうな体付き。真っ当な若者ではないとは一 目で分かる。濁った目に殺気を灯し、ゆっくりを見つけ、叩き潰していく。 虐待お兄さんの類ではない。村の嫌われ者の男だった。 ゆっくりを潰しているのもただの八つ当たり。 不機嫌そうな顔で、落ち葉や枯れ草だらけの山道を登っていく。 「ゆっかりしていってね!」 突然の声に男は顔を上げた。 枝の上に一匹のゆっくりがいた。ドアノブのような帽子と細いリボン、金色の髪の毛。ゆ かりである。どんな隙間にでも潜り込める軟体と強烈な少女臭を持つゆっくりだ。 ちらりと男が横を見る。茂みの影から覗くちぇん。 「ひどいありさまねぇ……。どうしてこんなことをするのかしら? ゆかりんたちは、ただこ のおやまでしずかにくらしたいだけよ?」 枝から男を見下ろし、眉を寄せた。 あちこちに付いた餡子やクリーム、チョコ。全身から漂うゆっくりの屍臭。 「はたけどろぼうをしたこともないし、まいとしさんさいさんもわたしているし、てっぺんのじ んじゃのそうじもしているのに……。なにがきにいらないのかしら?」 ゆかりの群れは人間と友好な関係を築いていた。村の人間にも大事にされている。人 間の危険性と性質を理解し、上手く付き合う術を知っているからだ。 「その生意気な態度が気にくわねぇんだよ!」 棒を一振りし、男はゆかりを睨み付ける。賢く人間と共存し生きているゆっくり。それが 気に入らなかった。村の嫌われ者に自分と、それなりに大事にされるゆっくりたち。自分 がゆっくり以下と証明されているようだった。 男は歪んだ笑みを浮かべ、 「……それに、人間様がゆっくり殺して何が悪い?」 「べつに。なにもわるくないわ。つよいものがよわいものをしいたげる。それはあたりまえ のことよ。それにおこっても、むいみだわ」 あっさりと言ってのけた。 「だから、ゆかりんはここでおにいさんを"ころす"わ」 さらにそう宣言する。紫色の目に映る冷たい光。脅しやはったり、やけくそではない。本 気だった。ゆかりは本当にここで男を殺そうと考えている。 「殺す? ゆっくりが、人間を? ひっ、はははははは!」 ゆっくりが人間を殺す。それは無理だと男は考えていた。ドスまりさならともかく、ゆかり では人間は殺せない。それを本気で言うのは、冗談の類にしか見えない。 「おにいさんのことをむらのにんげんさんにそうだんしても、おにいさんがころされるわけじ ゃないわ。おこられるていどよ……。だから、ここで"ころす"しかないわ。そうしないと、ゆ かりんたちのむれが"ぜんめつ"しちゃうもの」 男が山のゆっくりを殺したと村に伝えても、男が制裁を受けるわけではない。せいぜい 怒られる程度。人間はゆっくりの生死にさほど興味がない。群れの全滅を避けるには、自 力で男を退けるしかない。ゆかりはそう考えていた。 「ここから俺を突き落とすってのか?」 男は横を見る。 道の横には崖があった。崖といっても断崖ではなくかなりの急な坂である。人が滅多に 立ち入らないため、柵も作られていない。足を踏み外したら下の沢まで一直線。落ちても 死にはしないが、無事では済まない。 強い風が吹き、木々がざわめく。 ゆかりは男が右手に持っているボロ袋を見た。 「そこにいるのはらん?」 「ああ、そうだよ。こいつのせいで十匹は逃げられたわ、クソがッ。そうだなぁ。お前らを殺 してから、じっくりたっぷり苦しめてやるよ。へへへっ……。最後のご対面だ」 ボロ袋を開け、男は中から一匹のゆっくりを取り出した。 「ゆかりさまあああ……!」 帽子を失い、尻尾も無い。髪は無惨に毟られ、片目も抉られている。 村と山の境目に住む副長のらんだ。山のゆっくりが人里に出て行かないよう見張りを している。また、悪い人間が来た時に群れのゆっくりを逃がすのも、らんの仕事だった。 らんは自分の仕事を命懸けで遂行した。 ぼろぼろのらんを見つめ、ゆかりは小さく微笑んだ。優しく声をかける。 「らん。よくやったわ。いままでありがとう。そして、しになさい」 「さあ、おたべなさい!」 ぱか。 真っ二つになったらんが地面に落ちた。 「!」 予想外の行動に、男は一瞬動きを止める。まさかこの場でお食べなさいをして死ぬとは 思っていなかった。人間でも自殺は相当な覚悟がいる。ゆっくりならなおさらだ。 「ゆっかりしていってね!」 ゆかりが枝から飛び降りていた。一度地面に落ちてから、大きく弾んで男の方へと飛ん でくる。伸縮性の強い身体を生かしたゆかりの突進方法だった。 「こンくそがぁ!」 棒を振り抜き、ゆかりを崖へと払い飛ばす。白い帽子が地面に落ちた。 らんに勝ち逃げされた。そう男は歯軋りをする。今後の荷物にならないよう、ゆかりは容 赦無くらんを切り捨て、らんも迷わす切り捨てられた。 すぐさま反対側を見る。茂みに隠れていたちぇんだ。 「ゆっくりしんでねええ! わかってねええ!!」 「!」 一瞬、思考が止まる。 ちぇんが二匹いた。男は無意識にゆかりやらんが従えるちぇんは一匹と考えていた。茂 みに隠れ切れていないちぇんが一匹だけだったので、その前提を疑うこともない。 しかし、ちぇんは二匹いた。一匹が完全に隠れ、二匹目があえて姿を見せる。単純な仕 掛けだ。一匹と二匹で人間相手に戦力の差が出るわけではない。だが、予想と現実の差 は男の思考を遅らせていた。狙いは、その思考の遅れだった。 「に゙あ゙」 「わがっ」 男が振り回した棒が、二匹のちぇんを順番に殴り倒す。 思考が遅れた事、標的が二匹に増えた事、それが打撃の威力を大きく削っていた。ダ メージは与えたが殺せてはいない。行動不能にもなっていない。 背後から迫る殺気に、男は振り向く。 「糞饅頭が!」 ゆかりが飛んできた。男に払われた時に、身体を伸ばして適当な枝を掴み、ゴム仕掛 けのように戻ってきたのだ。柔らかいゆかりに打撃は効きにくい。 男に体当たりをする直前に、ゆかりが身体を薄く広げる。 「ぐお!」 広がったゆかりが男の頭に巻き付く。 例えるならバスタオルがいきなり頭に巻き付いたようなもの。視界を奪われ、呼吸もで きなくなり、男の思考が止まった。 そこへちぇんが体当たりをする。狙いは膝の裏側。 「わがっでねええ!」 「らんじゃまのがだぎいいい!」 自分の身体が砕けるほどの渾身の体当たりに、男の膝が崩れる。 さらにゆかりが身体の端を伸ばして枝に引っかけ、一気に引っ張った。 視界は利かない。息もできない。思考もまともに働かず、自分の置かれている状況が 分からない。そこで足を崩され、頭を思い切り引っ張られる。 駄目押しとばかりに、ずたずたのちぇんが男の足に体当たりをした。 「ああッッ!」 男は崖に転がり落ちた。 「ぐ……」 男は崖下の沢に落ちていた。意識は残っているが、身体がまともに動かない。脳震盪 を起こしていた。手足を動かそうとすると、どこかに凄まじい痛みが走る。簡潔に言うと、 男は両足と肋骨を骨折していた。あちこちを枝で切り、出血も酷い。 大怪我だった。だが、すぐに死ぬほどのケガではない。 崖下には一緒に落ちた二匹のちぇんの残骸があった。 「そうねぇ。"ちっそくし"はだめなのよ……。それじゃ、ゆかりんがはんゆんだってわかっ ちゃうじゃない。おにいさんは、"じこし"でないといけないのよ」 近くの石の上にゆかりがいた。元の饅頭型に戻っている。頬が裂け、右目に折れた木 の枝が刺さっていた。それなのに動揺している様子はない。 舌で目に刺さった枝を抜き、横に捨てる。 「クソ饅頭が……!」 「ふこうへいなものね。ゆうしゅうなかんぶ3にんがぎせいになったのに、おにいさんはま だいきているわ……」 ゆかりがため息をつく。知恵を絞り、地の理を使い、命を捨て、幸運に恵まれ、それでも 人間一人を殺すに至らない。ゆっくりは非力である。 「こんな……こと、して……ただで、済むと……思ってるの、かッ!」 呻く男の目に映るのは怒りと恐怖だった。自分をこんな目に遭わせたゆかりたちへの 怒りと、このまま本当に殺されるのではないかという恐怖。 ゆかりが男を見据える。 「おもっていないわ。ゆっくりがにんげんをころしたとわかったら"いっせいくじょ"よ。せんも んかさんがやってきて、ゆかりんたちはぜんめつね」 ゆっくりが人間を殺すことを人間は絶対に許さない。もし人殺しのゆっくりが出たら、ゆっ くり殺しの専門家がやって来て、通常種希少種問わず文字通り駆除される。 黙って身を潜めていた方が全滅の可能性は低かったかもしれない。 それは分かっていたが、ゆかりは男を殺す事を決断した。単純な意地だろう。 「だからおにいさんには"じこし"してもらうわ。それなら、ゆかりんたちがうたがわれること はないわ。このおやまは、とってもきけんなばしょなんだから」 ゆかりは空を見上げた。 地形のせいで昔から事故の多い山で、危ない場所であることは子供でも知っている。 男がここで死んでも、ゆっくりを潰すために勝手に山に入って事故死したバカで話は終わ ってしまうだろう。 「あしたは、おおあめね……」 灰色の雲が空を覆い、冷たい風が吹いている。秋も深い時期で空気は冷たい。明日の 天気は大雨だ。男が今日を選んだのも、雨で潰したゆっくりが溶けると考えたからだ。 その考えが見事に裏目に出た。このままでは雨と寒さで凍死するかもしれない。 「………」 ゆかりの狙いは最初からそこだと男は今更ながら理解した。 「おにいさんがいきてむらにかえったら、おにいさんのかち。かえれなかったら、ゆかりん たちのかちね。まけたほうはしぬわ」 冷淡に宣言し、ゆかりはもぞもぞと動く。 「たまったわね」 そう呟き、男の胸に飛び乗った。 ずきりと刺すような痛みが走る。 身体は動かず、払いのけることはできない。男はこれからゆかりの行う事を受け入れる しかない。恐怖に泣き叫びそうになりながら、男は最後の意地で無表情を保っていた。 ゆかりが男の顔にあにゃるを向ける。 「?」 意味は分からなかった。 ゆかりがにこりと微笑む。 「ごめんあそばせ」 ぷすっ。 鼻先への放屁。 「え゙んッ!?」 脳髄を抉る少女臭に、男は気を失った。 結論から言うと、男は助かった。 二日後に男を捜しに来た村人に発見された。骨折などの大怪我に加え、肺炎も起こし て意識不明だったが、ぎりぎり生きていた。それから街の病院に担ぎ込まれ入院。その 間ゆっくりに殺されるとうなされ続け、意識が戻った時もゆっくりが自分を殺そうとしたと 主張した。しかし誰も取り合わず、山に入ってゆっくりを潰した事をこっぴどく怒られた。 その後退院したものの、高額の入院費が払えず、男は逃げるように村を去った。 ゆかりは今でも山の群れを長を続けている。 過去SS anko4058 まちょりーになりたい anko4052 とっても餡子脳 anko4051 どMとどS anko4047 便秘だったちぇん anko4046 超天才外科医の休日 anko4038 ゆっくり・ボール・ラン anko4008 ゆか PIECE anko4005 燃える、お兄さん anko4003 続・愛の超伝道師 anko3994 愛の超伝道師 anko3894 続・えどてんせいっ! anko3878 えどてんせいっ! anko3874 禁断の口付け anko3862 人工ドススパーク
https://w.atwiki.jp/scratchgame/pages/27.html
お気軽にコメントください。 - Leihuiyingxiong◆ (2021-12-18 09 48 46)
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/4546.html
『ゆんビックキューブ』 8KB 虐待 子ゆ うんしー ぺにまむ 失礼します。 『ゆんビックキューブ』 過去作 anko4445 anko4449 anko4452 anko4456 anko4461 anko4464 anko4475 anko4494 いつも通り読みづらいです。 一応「anko4452 アメリカンゆんやッカー」の続編にあたります。が、これだけでも問題ないと思います。 現実ではありえない動きをする物体が出ます。 とあるパン屋に行った帰り。 目当てのメロンパンが目の前で売り切れ、私は結構本気で落ち込みながら歩いていた。 だからだったのだろうか。 気がつくと、私は知らない路地にいた。 いつの間にこんな場所に迷い込んだのだろう? 思いながら歩いていくと、やがて突き当りに辿り着く。 そこには、いつぞやの駄菓子屋があった。 「いらっしゃい」 店内に入ると、やはりあのおばあさんが座っている。 この間のゆんやッカーの件を話すと、おばあさんはのんびりと頷いた。 「楽しかったなら、なによりですねえ」 そこで、ぽんと手を打ち、 「そうそう、あなたに向いてそうな、面白いのがあるんです」 そこの棚よ、と指差された先。 そこにあったのは、透明な箱だった。 大きさは、手のひらになんとか収まるか、というくらい。 立方体型の各面には、よくよく見ると格子状の細い溝が刻まれ、9つの小さな正方形が形作られている。 これは、あれに似ている。ルービックキューブ。 ただ、透明なこれでは、明らかにあれと同じ遊び方はできない。 ではこれはなんなのだろう? 怪訝に思いながらも、「ちょっと貸してみて?」と言われ、それを渡す。 それを受け取ると、おばあさんは、 「ゆんビックキューブっていうんですよ」 そして、どこからともなく一匹のれいむを取り出した。 サイズはソフトボール大、所謂子ゆっくりサイズである。 そう、丁度あの箱に入りそうな――。 「ばばあはゆっくりしないではやくあまあまもってきてね!」 「はいはい、わたしはばばあですよ」 早速発せられた不快な雑音を適当にいなし、おばあさんは箱の一面を外した。 「おそらをとんでるみたい!」 そして傍らの子れいむを掴み入れ、再び閉じる。 「ゆ? だしてね! こんなせまいところはゆっくりできないよ!」 ややくぐもりながらも聞こえてくる子れいむの声を無視して、おばあさんはゆんビックキューブをこちらに向ける。 「ようく、見ててね」 かしゃり。 立方体の端を、縦に回した。 「……ゆ?」 子れいむが間抜けな声を上げる。 その正面で、私は息を呑んだ。 一体全体どういう仕組みか、子れいむの顔の右半分があるべき場所に、黒髪とリボンの切れ端がある。 「れいむのおがおがああああああああああああああ!?」 ぽかん、と口を開け、れいむに負けず劣らず間抜けな顔をしていただろう私は、れいむの叫び声によって正気に戻った。 「どうです、すごいでしょう?」 自慢気に言い、おばあさんは更に面を回していく。 「おでがいじまず……。でいぶを、ぼどでぃぼどじでぐだざいぃ……」 やがて子れいむが泣きながら懇願を始めた頃。 おばあさんは手を止め、それを私に渡した。 受け取ったそれは、各面にバラバラになった子れいむの泣き顔がある。 不気味以外の何者でもない。と言うか、何故この状態で話せるのか。 ともかく私に渡したということは、解いてみろ、ということだろう。 正直言って、私はこの手のパズルが大の苦手なのだが……。 ともかく、思いつくままに回していく。 数分か十数分か、あるいはそれ以上か。 「ゆん! れいむをもとにもどすなんて、なかなかみこみのあるどれいだね!」 しばらくゆんビックキューブと格闘した結果、一面、すなわち子れいむの顔だけはなんとか完成していた。 「あとはさっさとここからだしてね! それとあまあまちょうだいね! そうしたら、れいむのあんよをぺーろぺーろさせてあげてもいいよ!」 ほかの部分、ゆっくりが命と同等に大事にする「おかざり」ですらバラバラのままなのだが、こいつは気にならないのだろうか。 指摘しようかとも思ったが、どうせこいつにはそれが見えていないだろうからやめた。 それより、だ。 この子れいむをこのまま出したら、一体どうなるのか? 「どこかを引っ張ったら開きますよ」 その思考を読んだかのように、おばあさんが言う。 言われた通り、取り敢えず子れいむの顔がある面を引っ張ると、簡単に―― 「ゆがあああああああああああ!?」 取れたと思った瞬間、子れいむはこの世の終りのような悲鳴を上げた。 否、子れいむにとっては実際にそうだった。 「いだいいいいいいいいいいい! おぼにぜんじんがいだいいいいいいいいいい!?」 苦悶の表情を浮かべ、子れいむが叫ぶ。 リボンはバラバラの状態ではらりと落ちたが、一体どういう仕組みか、ほかの部分は滅茶苦茶のままくっついている。 なかなかに不気味な姿である。 特に頭頂部と後頭部からそれぞれ伸びるもみあげが動く姿など、生理的嫌悪感を催させる。 「はい、ごみ箱」 軽く礼を言うと、差し出されたそれの上で不気味な物体を潰し、手の中の餡子を落とした。 「それ、欲しいですか?」 問いに、私は肯定を返した。 こんな謎構造の物体、普通では絶対に手に入らないだろう。 一応玩具に分類されるのだろうが、それなりの値段がすることを覚悟し、財布の中身を確認しようとして。 「じゃ、あげます」 あっけらかんと言われた言葉に、耳を疑った。 店を出た私は、手慰みにゆんビックキューブを回しながら歩いていた。 かしゃり、かしゃりと小気味よい音を立て、ゆんビックキューブが回る。 「やべろおおおおおお! さいっきょうのばりざをうごがずなあああああああ!」 中に入っているのは、先程「偶然にも」拾った子まりさである。 ゆんビックキューブは「売り物じゃないから」と理由で、ただで譲ってもらえた。 だが、流石にそれだけを持って帰るのは忍びなかったので、駄菓子を大量に買って来たところ。 目敏くそれを見つけたらしいまりさとれいむの番に、「ここをとおりたかったらつうこうりょうとしてあまあまちょうだいね!」と言われたのである。 もちろんそいつらは、潰して「たまたま」そばにあったごみ箱に捨ててきた。 そして、その一粒種の子まりさを中に突っ込んで、こうしているわけだ。 しかし、疑問は尽きない。 一体どんな仕組みで回っているのか。 バラバラになっているのに、どうやって生きているのか。 「おいぐぞにんげんんんんんん! ばりざざまをざっざどぼどにぼどぜええええええ!」 それから、この雑音の出所もか。 まあ、「思い込み」で物理法則を捻じ曲げると言われるゆっくりとその関連グッズのこと、考えるだけ無駄だろう。 そして再び手元に目をやると、子まりさは帽子以外の面だけが揃っている。 「ゆう~ん? ようやく、まりささまのおそろしさにきづいたのぜ? でも、いまさらおそいのぜ! ゆっくりしないでここからだすのぜ! そうしたら、せいっさいしてやるのぜ!」 ぱかりとゆんビックキューブを開く。 「ゆふぅ、やっとそとにでられたの……ぜ……?」 私の手のひらの上に転がった子まりさの前に、黒い布切れが散らばる。 やはりと言うべきか、出てきた子まりさの帽子はバラバラになっていた。 「おぼうじざあああああん! ゆっぐぢなおっでねえええええええ! ぺーろぺーろ!」 泣きながら帽子を舐め始める子まりさ。 親を殺された時には「げすおやはしんでとうぜんなのぜ!」と笑っていたくせに。 取り敢えず、見ていてそこまで面白くもないので、近くにあったゆっくり用ごみ箱にそれを捨てた。 さて、次はどうしよう。 どの種類のゆっくりを入れよう。 そんな事を考えながら、私はゆっくりショップへと足を向けた。 テーブルの上に、数匹の子ゆっくり達がいる。 そしてその全てが、奇妙な姿に変わり、泣き叫んでいた。 もちろん皆、私がゆんビックキューブを使って各部の向きや位置をを入れ替えたものだ。 どうやら、最初の子れいむのようによほどバラバラになっていない限り、痛みは感じないらしい。 まず、子れいむ。口だけを背中に向けさせた。 「どぼじでむーじゃむーじゃでぎないのおおおおお!?」 おかげで、目の前に置いてある駄菓子を食べることができないでいる。 「あまあまは、ゆっぐじれいむのおぐぢにはいってねええええ!?」 次に、子ありす。 れいぱー化させたこいつの、いきり立たせたぺにぺには、後頭部から下に向けて伸びている。 「ずっぎりでぎないいいいいいい! ごんなの、どがいばじゃないばああああああ!」 また、あんよが頭部に来ているため、「逆モヒカン」状態になっていた。 無論カチューシャも三つに分かれているが、どうも気づいていないらしい。 「れいばーはゆっぐぢでぎないいいい! ゆっくりにげ――あんよざんどぼじでそっちにずずむのおおおお!?」 そして、それに襲われているまりさは、あんよを逆に向けてある。 元々動く原理も不明だが、逆に向けたら逆に進むようになったらしい。 それに気づくまでは子ありすから逃げることはまずできないが、しかし子ありすが一心に打ち付けているその部分に、子ありすのペにペにはない。 故にすっきりすることはなく、放っておいても飢えるまでは死なないだろう。 そして最後に、二匹目の子れいむ。 こいつは、あにゃるを額の位置に持ってきてある。 ほかの部分があまりずれないようにこの形にするのは大変苦労した。 「うんうんするよ……すっきりー! ……どぼじでうんうんがめのまえにあるのおおおおおお!?」 自らがひり出したものが顔に付き、悪臭に叫ぶ子れいむ(2)。 私から見れば当然の結果だが、本ゆんには何が起こっているのか理解できないだろう。 それらを一瞥したあとで、私は最後に残した、無事な子まりさを見た。 「や、やべでね……おそらをとんでるみたい!」 それを掴み、開けてあるゆんビックキューブにいれ、閉じる。 「おでがいじばず……。ばりざいいごになりばずがら……だがらやべでぐだざい……」 既に、自分の運命を理解しているのだろう。 子まりさは泣きながら、弱々しく懇願する。 私はそれを無視して―― かしゃり。 挿絵:
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/4549.html
anko4500 深淵を覗く 【虐待】 anko4501 ゆっくりウェスタン2 ~ノー・マーシィ~ 【パロディ】【挿絵】 anko4502 Stray 4 ~自称 稀少種~ 【観察】 anko4503 続・邪悪なる者達・起 anko4504 続・邪悪なる者達・承 anko4505 続・邪悪なる者達・転 anko4506 続・邪悪なる者達・結 anko4508 ゆ神兵ゆっくりぷれいすに現わる 【挿絵】 anko4509 さくやの世界 【愛で】 anko4510 地獄公園 【いじめ】【挿絵】 anko4511 わたしはまりさ 【愛で】 anko4515 ゆつぼかずら 【観察】【挿絵】 anko4516 人間に飼われるというのは……3 【考証】 anko4517 奴隷産出群 【観察】 anko4520 タバコまりさ 【愛で】 anko4523 14日分の友情 【愛で】【挿絵】 anko4525 は?っていうぐらい強いドス まりちゃ編 【いじめ】 anko4526 ですとらくしょんわーるど anko4529 雪の公園で 【虐待】 anko4530 イニシエーション 【考証】 anko4531 は?っていうぐらい強いドス 子まりさ編 【制裁】 anko4534 てーと金メッキ 【愛で】 anko4535 希少種はゆっくりできないよ! 前編 【観察】 anko4536 びゃくれん、悩む 【愛で】 anko4537 歯止めがない 【観察】 anko4538 は?っていうぐらい強いドス 越冬~成ゆん式編 anko4539 れーみゅのほうがこそだてできりゅよ! 【制裁】 anko4540 希少種はゆっくりできないよ! 後編 【観察】 anko4541 ゆっくりとうっひょうっしてってね 【観察】 anko4542 中途半端なおにいさん・1 【制裁】 anko4543 まりさはゲス 【制裁】【挿絵】 anko4544 Stray 5 ~地域ゆっくりからでた先~ 【観察】 anko4545 ゆっくりしていくがいいさ 【愛で】 anko4546 廃墟にて 【愛で】 anko4547 少年とゆっくり 【愛で】 anko4548 おさはゆっくりできない 【観察】 anko4549 れいむの誕生日 【虐待】 anko4550 じんぐるべーゆ 【愛で】 anko4551 クリスマスとゆっくり 【いじめ】 anko4552 聞き上手なれいむ 【小ネタ】 anko4553 ありふれた野生のお話 anko4554 は?っていうぐらい強いドス まりさ編 anko4555 おにいさんはゆっくりする 【制裁】 anko4556 さむでい 【いじめ】 anko4558 ”ゆ” 【いじめ】 anko4559 まりさと草野球 【虐待】 anko4560 希少種はとってもえらいんだよ!!!!! 【虐待】 anko4561 鬼意山と遊ぼう! 【いじめ】 anko4562 阿求さんがお怒りです 【制裁】 anko4563 初めて愛してもらえた 【小ネタ】【挿絵】 anko4564 ………… 【虐待】 anko4565 嘘つきさくや 【愛で】 anko4566 ゆう羹 【虐待】 anko4567 愛でる形 【制裁】 anko4568 ソウルフード 【虐待】 anko4569 ゆっくりとしんねんさん anko4570 ゆ落とし 【いじめ】 anko4571 MISSION_MARISA 【ギャグ】 anko4572 かわいいといえっ! anko4573 その先が見てみたい 【いじめ】 anko4574 お手軽レシピ 【虐待】 anko4575 ゆっけん 【いじめ】 anko4576 ネグレクトお姉さん 【虐待】【挿絵】 anko4577 ゆっくりパラサイト 【観察】 anko4578 Luxuria 【観察】 anko4579 わたし大好きっ! 【小ネタ】 anko4580 ゆっくりしつもんするよ! 【虐待】 anko4581 バックヤード 【ギャグ】 anko4582 まりさのしかばねをこえていくのぜ 【虐待】 anko4583 道ばたのゆっくり 【いじめ】 anko4584 ゆっくり おんがえししてね 【観察】 anko4585 散歩した雪の夜に 【いじめ】 anko4586 ぺに輪 【小ネタ】 anko4587 だいおういくvs深海まりさ 【観察】【挿絵】 anko4588 今日のゆっくり 【いじめ】 anko4589 ゆっくりは絶対に譲歩しない 【考証】 anko4590 はるさんがきたよ 【観察】 anko4591 ゆたんぽ 【いじめ】 anko4592 おさげ地獄 【小ネタ】 anko4594 ソレを食べるってことは 【いじめ】 anko4596 強くてにゅーゲーム 【愛で】 anko4597 ドスまりしゃ 【いじめ】 anko4598 apoptosis 【制裁】 anko4599 カウント・ダウン 【制裁】【挿絵】
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/4449.html
anko4400 シミュレーションゲーム 【観察】 anko4401 ゆっくりの国3 【愛で】 anko4402 コーヒーを欲しがる ゆっくり 【いじめ】 anko4403 まりさと大きな石 【いじめ】 anko4404 タマ子の部屋 【小ネタ】 anko4405 ヴェテらん 【愛で】 anko4406 罪と罰 【制裁】 anko4407 ドバ駆除 後日談 【虐待】 anko4408 まりちゃと草むらの森 【いじめ】 anko4409 くちはわざわいのもと 【制裁】【挿絵】 anko4410 でんじゃー 【いじめ】【挿絵】 anko4411 うんうんの汲み取り屋さん 【観察】 anko4412 額に真実 anko4413 逃げこんできたゆっくり親子 【制裁】【挿絵】 anko4414 はいしゃさんごっこ 【虐待】 anko4415 おててを上げて渡りましょう 【観察】 anko4416 Love it or Hate it? 【観察】 anko4417 かみかくしさん 【観察】 anko4419 野良は家を出てどうなったか 【観察】 anko4420 心無い天使 【虐待】 anko4421 俳句の会 【小ネタ】 anko4422 中州に住むまりさだけの群 【小ネタ】 anko4423 まりちゃvs虫王 【虐待】 anko4424 ゆっくり除け 【いじめ】 anko4425 少年へ女神を託す 【いじめ】 anko4426 秋空高く 【制裁】【挿絵】 anko4427 まりちゃフェア 【いじめ】 anko4428 ゆっくり、ここに生まれいづる 【観察】 anko4429 本の森の狩人 【制裁】 anko4430 辞世の句 anko4431 かーびゆんゆんっ! 【愛で】 anko4432 生きる 【小ネタ】 anko4433 虐待おにいさんの悲しみは 【虐待】 anko4434 ゆん生の分かれ道 【制裁】 anko4435 あまやどりさん 【愛で】 anko4436 語る 【制裁】【挿絵】 anko4437 日常(朝) 【虐待】 anko4438 蟲送り 【制裁】 anko4439 ぼうぎょ 255 【制裁】【挿絵】 anko4440 公園にて 【虐待】 anko4441 ゆぎゃってあそぼ! 【いじめ】【挿絵】 anko4442 上山ノ手高校古典部・1(前) 虫愛づる男のはなし 【虐待】 anko4443 上山ノ手高校古典部・1(中) しゅごれいむっ! 【愛で】 anko4444 上山ノ手高校古典部・1(後) 週末の円紫さん 【愛で】 anko4445 邪気眼を持つ者とゆっくり 【虐待】 anko4446 ええじゃないか! 【小ネタ】 anko4447 赤ゆミサイルランチャー 【ギャグ】【挿絵】 anko4448 パチュリーvsまちょりー 【制裁】 anko4449 台風の目 anko4450 リセットさん 【観察】 anko4451 ぼうっさいくんっれん! は ゆっくりできるよ! 【愛で】 anko4452 アメリカンゆんやッカー 【虐待】 anko4453 みつぎもの 【いじめ】【挿絵】 anko4454 びゃくれんと大学にいってきた 【愛で】 anko4455 いつキスしてもいいように歯を磨くのだ 【小ネタ】 anko4456 お姉さんは魔女~れいむと、れいむのおちびちゃん~ 【虐待】 anko4457 およめさん宣言するよ! (前) 新郎さんは大変だ 【いじめ】【挿絵】 anko4458 どうあがいても絶望 【制裁】【挿絵】 anko4459 夏の終わりに 【愛で】 anko4460 てーと猛暑日 午前 【愛で】 anko4461 獅子は我が子を…… 【観察】 anko4462 冬のゆっくりキリギリス 【観察】 anko4463 てーと猛暑日 午後 【愛で】 anko4464 裸の王様 【観察】 anko4465 Stray 1 ~れいむは地域ゆっくり~ 【観察】 anko4466 だいりしゅっさん 後編その3 【制裁】 anko4467 事情聴取 【制裁】 anko4468 お団子さん、こーろこーろするよっ! anko4469 おおきな実ゆっくり 【制裁】【挿絵】 anko4470 ハロウィンの夜に 【愛で】 anko4471 最強伝説れいむ 【観察】 anko4472 Stray 2 ~嫉妬と決意~ 【観察】 anko4473 こうれいかのむれ 【小ネタ】 anko4474 人間とゆっくりが協力して困難に立ち向かう話(前編) 【虐待】 anko4475 二択 【虐待】 anko4476 限界突破 【虐待】 anko4477 人間さんとゆっくりは、友達だよ! 【制裁】 anko4479 人間とゆっくりが協力して困難に立ち向かう話(後編) 【虐待】 anko4480 人間社会でゆっくりしていってね! 【愛で】 anko4481 ゆっくりでポケモン 【ギャグ】 anko4482 やはり加工所は、頼りになる。 anko4483 プッツン 【虐待】 anko4484 まりさvsとしあき 【虐待】 anko4485 ぱるすぃのじぇらすぃ 【愛で】 anko4486 家族のアイドル(笑) 【いじめ】 anko4487 Stray 3 ~薄れゆくもの~ 【観察】 anko4488 れいむ宇宙へ 【制裁】【挿絵】 anko4489 顔なしゆっくり 【いじめ】 anko4490 まりさvsれみりゃ 【虐待】【挿絵】 anko4491 鬼(き)ゆん 【虐待】 anko4492 足りない 【小ネタ】【挿絵】 anko4493 『ゆっくり』の在り方『饅頭』の在り方 【虐待】 anko4494 痛みを喚ぶ者 【虐待】【挿絵】 anko4495 おいしゃさんありすとすっきりしたおみず 【愛で】 anko4496 しあわせ01 【制裁】 anko4497 ゆんビックキューブ 【虐待】【挿絵】 anko4498 おじさんの飼いゆっくり挑戦 【愛で】 anko4499 群れは誰のもの? 【虐待】
https://w.atwiki.jp/pokexdeki/pages/13.html
【更新:20.01.11】 . / / . / . . . . . . . . . . . . ヽ . } .| ノ / /| . / . . . . . / . . . . . . . . ', . | ∧ |/ | / . . / . . . { . . . . . . . . ', |' j /! . .,' . . / .| . . / . ィ . } . . . N | | . . | . /l . .∧ . . ,' ./ | . ハ } . . | | | . . | . /‐| ./-、', . .| ム-| /‐} .| . // ハ . { . ム⊥/二 ', . .|/.二L' .⊥j . / ∧ ∨ ゞ- ノ ' ヽ j ゞ- ノリノ/ / ∧ _\  ̄  ̄ ∠ イ .| ! /;;/| ∧ ; / |ヽj ,.-―――.\ _ _ イ -‐ '’ヽ !_  ̄¬ー- .._ -―====゙、 /三三≧=-__  ̄ー=三三三ミ、 /三三三三三三三≧=-__  ̄ー=ミ、 / ̄ー=ニ三三三三三三三三≧=-__ \. / ̄¬ 、  ̄ーニ三三三三三三三三三三三三≧=ヽ / _ __ー 、  ̄ー=三三三三三三三三三三ミ゙、 {/  ̄ ‐- _  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ _ヽ (出典:2ch) 主人公にして我らがヒロイン。攻略する側じゃない、される側だ! 人間でゴーストタイプの先祖返りである。15歳(スレ開始時)。現在のトレーナーランクはD-。現在知名度は38。酒の強さは66(酒癖:キス魔)。 両親が亡くなったと知らされた日に祖父に連れられ旅に出る。 しかしその「祖父と旅をした3年間の記憶」を失っており、記憶を失くした直後、言峰綺礼が神父をしているカラクサタウンの孤児院に引き取られた。 孤児院にて12~15歳の三年間を過ごした後、黒トレーナーとなった。黒トレーナーになったのは孤児院で過ごす中で黒バトルの光景を唯一思い出したからである。 その為9歳→12歳、と成人(10歳)までに成長する心の過程を失っており、理屈などを理解できても、納得は出来ず、人との触れ合いでは特に幼さが残っていた。 その後思い出した祖父と母の記憶の中に、『男嫌い』『Hなのはいけません!』(これらは初回のキャラメイクの影響で付随したもの。)を得るきっかけと思われるものが存在。 それと他にも様々な事を思い出し始めたために、初期の頃よりは大分分別があり、知識も取り戻しつつある。(キスとHなキスの違いとか) しかし、人前でも恋人相手ならば普通にキスをする。(現在「男嫌い」などの悪化により、そう言った描写が見られないが) +... 病的とも言えるほどに心が広く、自身の「仲間(手持ち)」から向けられる感情(敵意・殺意などのマイナス含め)を自身が受け止めるのは当たり前だと思っている。 仲間以外にも向けられることはあるが、仲間程ではない。彼女の中の優先順位は「仲間」が一番上である。 彼女にとって「仲間」とは「庇護するべき存在」であると本人も何処か自覚し始めた。 また「仲間」の分類とは別に「彼女のもの」という別枠があり、これは「緋の契」を結んだ相手のことをさす。その真意は「巻き込んで死んでも良い者たち」。 しかし、これに気付いたハバキリができない子を説得、「蒼の契」を結ばせ、この中に自身をねじ込んだ。 (よって、現在できない子が「契」を結んだ3名は、巻き込んで死んでも良いと考えていると考察できる) ある「ジムリーダーの陰謀?にて歌手デビュー済。知名度の関係で変装をしなければ、発見されると騒動になるのである。 (8スレ 1246時点) Pスキル スキル名 レベル 効果 備考 気合 - 致命傷になりそうな一撃を必ず耐える ナイフ術 Lv4 ナイフを武器に戦う。通常攻撃が80%で当たる みねうち - ポケモンの体力を1残す手加減が出来る ポケモン技と詳細は同じ ダブルアタック - 1ターンに2回連続で攻撃する(命中90%) ポケモン技と詳細は同じ ほろびのうた - 場をほろびのうた状態にし、3ターン後にひんし状態にする。交代されると、効果はなくなる 歌 - 歌が上手い。95%で補正を得る。また声を使った技を「歌」とし、+1の補正を得る(LvMax補正)。 戦闘使用時、BGMが切り替わる 劣等感 Lv2 初対面の相手に対する初期好感度が8になる。また喪失の期間を知る相手に対しては初期好感度が-3になる 軽減方法は恐らく「記憶を取り戻す」 男嫌い Lv2 男に対する態度は基本冷たい。初期好感度が2に、相手の態度によってさらにマイナス お願いにて2軽減・相互好感度91以上の男性相手(禊以外)に軽減可 言語不得意 - カロス語以外が苦手。 現在ポケモン言語のみ習得済 編み物 - とても綺麗な作りの編み物を創ることが出来る。売り物と変わらない。 制作にてスキルを使ったものを作成可・アレンジも出来る 掃除好き Lv4 掃除になれた人。ほぼ完ぺき(85%)に掃除をこなすことが出来る 育成 Lv2 ポケモンを育てるのが上手い。訓練で出た出目に+2することが出来る フィアによってLv2に 精神耐性 - 高確率(90%)で混乱・メロメロ・狂気などの精神攻撃を回避する 執筆 Lv3 絵・漫画などの話をそこそこ描きなれた人。それなりのスピードで描くことが出来る Hなのはいけません! Lv4 下ネタや肉体関係のエロいことが苦手。それらを平気で口にしたりする人間などに対する初期好感度が-9になる 恋人相手のみ軽減可 裁縫 Lv2 簡単な小物なら作ることが出来る 変装 - レベルが高い程、本人と分からない変装が出来る。見破る為には相対時「18×[Sv]」以上の数字を出す必要がある。しかし、マイナススキル・見破るスキルなどに看破される事がある 交渉術 Lv1 交渉事などに対して「[Sv]×18」%のボーナス 固有スキル スキル名 レベル 効果 備考 ■の■統 - ■から■■■■■の■■■■である■。■■・■■■■の■■■を■■■は■■の■■を■■■■■ない。 時々発動するが詳細不明 Tスキル スキル名 効果 備考 ふせげ 一度のみ受けた攻撃・特攻を半減して受ける かわれ 自分の手番とポケモン1体の手番を入れ替える。自身もその後、交代した手番で行動出来る あたれ 使用ターン、ポケモン1体の攻撃は必中 もどれ 使用ターンすぐにポケモン1体を戻すことが出来る 外付けとんぼ 速度補助 使用ターン、ポケモン1体の速度が1.5倍になる。 +できない子が歌った曲 できない子が歌った曲 場所 曲名 備考 ヒウン近くの保育園 ツキアカリのミチシルベ 依頼「歌ってください」・依頼人立花響 ヒウン・ポケモンセンター 月のワルツ コミュ(禊・かしわ・帝人) ヒウンシティ コネクト 依頼「カラオケ大会」・依頼人立花響 リバティ島ビーチ サクラメイキュウ 依頼「天海春香の補佐」・依頼主ポケモン協会 ヒオウギシティ・見晴台 ニンギョヒメ ホワイトに言われて ヒオウギシティ ハルモニア 依頼「一緒に歌お☆」・依頼人諸星きらり ヒオウギシティ 指切り 依頼「歌をお願いします」・依頼人武内 タチワキシティ エウテルペ 依頼「歌ってください!2」・依頼人立花響 タチワキシティ アイの庭 依頼「鎮魂歌」・依頼人コリエル タチワキシティ SCARLET KNIGHT 依頼「歌で勝負!」・依頼人一ノ瀬トキヤ ヒウンシティ 境界の彼方 パーティー「花鳥風月」 ライモンシティ 月食グランギニョル ライモンジム戦・「ほろびのうた」
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/4250.html
『れみりゃ修行する』 17KB 愛で ギャグ 飼いゆ 姉妹 失礼します ※ 「anko4058 まちょりーになりたい」のキャラが少し出てきます。 ※ めーりん語は翻訳してあります。 チートあきです。 「おねえさま、しね! しねー!」 「うー。いたいんだどー。やめるんだどー」 ぽかぽかとれみりゃの頭を叩く胴付きのふらん。 れみりゃは必死に反撃しているが、ふらんの方が優勢である。幼稚園児のような体格で の殴り合い。身体能力ではふらんはれみりゃよりも上だ。れみりゃでは分が悪い。というか ふらんがほぼ一方的にれみりゃを叩いている。 「平和だなー」 その様子を眺めながら、飼い主の男はのんびりと麦茶を飲んでいた。 れみりゃとふらんのケンカはいつもの事であるし、今更気にするものではない。習性や本 能のようなものである。無理に止めるとかえってストレスが溜まってしまうらしい。殺し合い になることは、あまりない。 「いもうとのくせになまいきなんだどー!」 れみりゃが反撃に出るが、あっさりと突き倒された。 「あはははは! だらしないおにくのおねえさまは、ぶたのようにしね!」 マウントポジションを取り、ふらんは楽しそうに拳を振り回す。 みしり、とれみりゃの顔面に肘が打ち込まれた。 そんなある日。 男の前にれみりゃが正座した。 「うー。おにいさん、おはなしがあるんだど。れみぃはふらんにかちたいんだど。いもうとに やられっぱなしは、いやなんだど」 「ふむ。そう言われてみればそうだな」 男は首を傾げる。 記憶にある限り、れみりゃがふらんに勝てたことはない。それどころか優位に立てたこと すらない。連戦連敗。それは姉のプライドが許さないらしい。 生まれる順番からするとふらんの方が姉だった。余談であるが。 「じゃあ、修行してみるか?」 畳の上に正座をした男と、隣で同じく正座をしているれみりゃ。とある空手道場の練習場 だった。壁には『剛よく柔を断つ』と記された書が掲げられている。 「というわけでオヤジ。しばらくれみりゃを預けたい」 「くくく。そいつは面白れぇな」 男とれみりゃの前に座っている、厳つい男。 空手着の上からでも分かる筋骨隆々な肉体。きれいに剃髪された頭は、その異様な空 気をさらに強めている。手や顔には古傷がいくつも見えた。全身から立ち上る気迫。男の 父親であり、空手の師範だった。 ふらんのれみりゃの関係を手短に説明し、鍛えるように説明してある。 「おねがいしますだど」 父の迫力に気圧されつつ、ぺこりと頭を下げるれみりゃ。 父はれみりゃの細目を見据え、 「れみりゃ。修行は辛く苦しいぞ? 途中で何度も挫けたり泣いたり家に帰りたくなったりす るだろう。だけど、諦めず最後まで頑張ってくれるって、オレに誓ってくれるな?」 「うー。ちかうど」 れみりゃが頷いた。 「ぱちゅりー」 父が声を上げる。 その声に応えるように部屋の戸が開いた。 「よんだかしら、しはん?」 「うーあー!? ばけものー!」 正座を崩し両手を床に付き、れみりゃが悲鳴を上げる。 無骨な筋肉を持つ胴付きのぱちゅりー。まちょりーだった。身の丈二メートル近い長身に 紫色の服がきつくなるほどの分厚い筋肉。巨木、もしくは大岩。そんな表現の似合う体躯 である。腰に黒帯を巻き、袖は無く、スカートの左右にスリットが付けられていた。足とドロ ワが見えているが、色気は無い。むしろ変な卑猥さがある。 まちょりーとしてもかなり規格外の体格だ。 父親の飼いゆっくり兼弟子である。 「バケモノとはしつれいね。ぱちぇはぱちぇよ。むっきゅりしていってね」 のしのしと足を進め、ぱちゅりーがれみりゃの傍らまでやってくる。身長で二倍、容積なら 十倍以上の差はあるだろう。バケモノという表現は間違っていない。 「なかなかかわいいれみぃね。おにんぎょうさんみたい」 無造作に手を伸ばし、れみりゃの頭を掴んだ。 「うあああ!? つぶれるぅぅ!? つぶれるどおおお!」 ぱちゅりーの手を掴み返し、れみりゃが暴れる。 ぱちゅりーとしては軽く撫でる感覚だった。だが、れみりゃにしては万力で頭を挟まれた ようなものだ。実際ぱちゅりーが少し力を込めれば潰れるだろう。豆腐のように。 腕組みしながら父が笑っていた。 「んじゃ、ぱちゅりー。れみりゃの事は頼むぜ? 死なない程度にな」 「わかったわ」 ぱちゅりーが手を放した。 うつ伏せに倒れたれみりゃを見下ろし、 「はなしがまとまったところでさっそくだけど、トレーニングをはじめようかしら。まずはきそた いりょくをつけるために、ぱちぇといっしょにマラソンね」 「まらそん……どれくらいだど?」 「10キロよ」 見上げるれみりゃにさらりと答えるぱちゅりー。 「じゅっきろって……どれくらいだどー?」 れみりゃは冷や汗混じりに男を見る。 10という数字が理解できないわけではない。kmという距離の単位が理解できないわけ ではない。だが、10Kmという言葉は理解できなかった。 男は少し考えてから、笑顔で答える。 「たくさんだ」 「………」 れみりゃが顔を引きつらせる。凄く多いという事は理解した。 「れみりゃ。今になって『やっぱやめる』ってのは無しだぜ?」 父が凶暴な微笑みとともに告げる。いつの間にか右手を持ち上げていた。拳ではない。 親指と人差し指、中指で何かを掴むような形。れみりゃは本能的に悟った。拳よりも危な い手の形。もし迂闊な事を言えば、ここで死ぬ。 「ぜんはいそげ。いくいわよ、れみぃ」 「うーあー!?」 ぱちゅりーに引きずられ、れみりゃは無力に泣いた。 ぱちゅりーのマラソンコースは近所の運動公園だった。マラソンやウォーキングができる ように小さな道が造られている。一周およそ一キロ。コースにはマラソンをしている若者や 犬の散歩をしているおばさんの姿があった。 「むっきゅ、むっきゅ」 両手両足にパワーリストを巻き付け、ぱちゅりーは軽快な足取りで走っていた。 走る度にスリットの刻まれたスカートが翻り、丸太のような足が覗く。 マラソンするまちょりーという光景は異常なものだが、周りの人間は既に慣れてしまって いるので、普通に道を開けたりしている。 「ぅ……」 一方、のたのたと走るれみりゃ。視線は何もない空を彷徨い、足取りもおぼつかない。現 在二キロを過ぎたあたり。体力の限界はとうに越えていた。 「さー、れみぃ。あとはっしゅうよ」 ゾンビのように走るれみりゃを、ぱちゅりーが追い抜いていく。 「あんしんしなさい。たおれたらたたきおこしてあげるわ」 「………」 れみりゃには呻く余力も無かった。 赤い空と広い河原。 その隅の方の石に三匹のゆっくりが腰掛けていた。身体の細い胴付きのぱちゅりー、れ いむ。そしてれみりゃ。川岸に着けられた小舟の横でこまちが一匹眠っている。 「ところであなた、いったいなにをしてここにきたの?」 「まちょりーとまらそんしてたら、ここにいたんだどー。そこからよくおぼえてないんだど……。 ぱちゅりーとれいむはなんでここにいるんだど?」 れみりゃが尋ねる。 「おふとんかけすぎておひるねしちゃったから、たぶんだっすいしょうじょうね」 「れいむはばななのかわさんで、すべってころんじゃったよ。うっかりしてたね!」 「それはさいなんだどー」 ガバッ! 薄い布団をはね除け、れみりゃが起きる。 「なんだどー!? なんかざんすのかわっぽいところで、かいわれだいこんみたいなぱちゅ りーとのうてんきそうなれいむと、しっぽりはなしこんじゃったどー!?」 「むきゅ。おきたのね」 ぱちゅりーが声をかけた。 道場にあるトレーニングルームである。今は人はいない。隅に置かれた椅子の上にれみ りゃは寝かされていた。 横には回復に使ったらしいオレンジジュースの空パックが置いてある。 「………。うー?」 かちゃり、かちゃりと金属の鳴る音。 ぱちゅりーがダンベルを持ち、腕を上下に動かしていた。ウエイトトレーニングらしい。鉄 の棒に巨大な円盤がよっつ付けられている鉄塊。それを両手にひとつづつ。腕が動くたび に留め具が鳴っていた。動きはかなり速い。 「それ、なんキロなんだど?」 椅子に座り直しながら、れみりゃは聞いてみた。 「かたほう80キロよ」 「……はちじゅっきろって、どれくらいなんだどー?」 80という数字が理解できないわけではない。kgという重さの単位が理解できないわけで もない。だが、80kgという言葉は理解できなかった。 「たくさんよ」 そう説明してから、ぱちゅりーはダンベルを床に置いた。 「とりあえず、れみぃは10キロからね。むきゅ。ちょっとかるいかしら?」 近くに置かれていた小さなダンベルを掴む。銀色の棒の左右に小さい円盤をひとつづつ 取り付けたもの。ぱちゅりーが今使っていたものに比べると随分と小さく軽く見えた。 ぱちゅりーはおもちゃでも持つように軽々と持ち上げている。 だが、ゆっくり基準では十二分に重いことを、れみりゃは理解した。 「はい」 ぱちゅりーがダンベルを投げてくる。 「う!?」 れみりゃは目を見開いた。 緩い放物線を描いて飛んでくる鉄の塊。もしかしたら門下生と一緒に鍛錬をする時に軽 いバーベルは放って渡しているのかもしれない。ともあれ、れみりゃにとっては絶対に持て ない代物だ。それを投げつけられた。受け止めたら危険、受け止めなくとも危険。 「どおおおおお!?」 鈍化した時間の中で、れみりゃは滝のような涙を流した。 ダンベルを投げてはいけません。れみりゃとお約束だぞ☆ ぐちゃ。 夕暮れのような赤い空。湖のように広い川。丸い砂利が敷き詰められた河原。石に座っ ている細い胴付きぱちゅりーと普通っぽいれいむ。 その前で、れみりゃは呆然と立ちつくしていた。 「あら、もうもどってきたの? きがはやいわね?」 「おかえりなさい、れみりゃ! ここがきにいったの? ゆっくりしていってね!」 「れみぃ、もうおうちかえるどおおおお!?」 両手を振り上げ、れみりゃは叫んだ。 「むっ、きゅっ!」 勢いよく空を切る正拳。 公園の端っこで、ぱちゅりーが正拳突きをしていた。足元から拳の先端まで流れるように 伝わっていく力。鮮やかな構えから突き出された拳が、重い風切り音を立てる。 「うー……あー……」 その横でぎこちなく正拳突きをしているれみりゃ。全身から流れる汗と真っ青な顔色、焦 点の合っていない瞳、身体は小さく震えている。ぱちゅりーによる鍛錬のおかげで死にか けていた。実際日に十回以上臨死体験を繰り返している。 「ぱちゅりーのくせにおねえさまをいじめるなんて、なまいきだわ。おねえさまをいじめてい いのは、ふらんだけなのに……」 二匹の修行の様子を、ふらんが物陰から伺っていた。嫉妬に歯を軋らせながら。 ふらんがれみりゃを虐めるのは、ふらんなりの愛である。自分以外の誰かられみりゃを 虐める。ふらんはそれが許せなかった。 もっとも、あのぱちゅりーにケンカを売って勝てるとは思っていない。 「こまったわ。おねえさまがつよくなったら、いじめられなくなっちゃう……」 そして最大の問題はれみりゃが強くなることだった。ふらんが見ても無茶苦茶と思える鍛 え方。だらしないれみりゃでもこの鍛錬を続ければ確実に強くなるだろう。れみりゃがふら んよりも強くなっては虐めることができなくなってしまう。 「そうだ」 ふらんはぽんと手を打った。 街外れにある古い日本家屋。日の光が差し込む客間で、男とふらんは座布団の上に正 座をしていた。床の間の壁には『柔よく剛を制す』と書かれた掛け軸が飾ってある。 「というわけで、婆ちゃん頼む」 「それは面白いのう。ふぇっへっへ」 ふらんの前には男の祖母である婆さんと、年老いた胴無しのめーりんがいた。 強くなったれみりゃに負けないように強くなりたい。その言葉を聞き、男が連れてきたの が祖母の元だった。かつては柔術の達人と言われた女傑である。最近でも麓に下りてき た熊を素手で仕留めたりと元気に暴れているが。 「それじゃあ、めーりんや。しばらくふらんを鍛えてやってくれ。まぁ、死ななきゃ何してもい いわ。アタシが直してやるからのう。へっへっへ」 楽しそうに笑いながら、祖母がめーりんを見る。 「わかったじゃお」 頷くめーりん。 「めーりんが、ふらんをきたえる?」 ふらんは眉を寄せてめーりんを眺めた。一目で分かるほど老いている。ここまで老化した ゆっくりはむしろ珍しいだろう。赤い髪は色褪せており、ほぼ白髪だ。帽子に付いた星マー クもくすんでいる。顔にも沢山のシワが入っていた。 「ふらん。そのかおだと、めーりんがつよいってしんじていないじゃお? まあ、とうぜんじゃ お。ろんよりしょうこじゃお、おもてにでるじゃお」 「わかった」 ふらんは立ち上がった。 庭に出てふらんとめーりんが対峙する。 男と祖母は縁側に座って二匹を眺めていた。 「相手はシロウトだ。うっかり殺すんじゃないよ?」 「わかってるじゃお」 祖母の言葉にめーりんが頷く。 ふらんは地面を蹴った。ふらんは単純な身体能力ならゆっくりでも随一だ。胴付き化する ことにより、人間の子供並まで上昇する。そこにふらん種特有の破壊衝動を加えれば、ゆ っくりではほぼ最強となる。 「めーりん、しね!」 めーりんめがけ、右手を振下ろす。五指を伸ばした狩りの動き。 「じゃお」 見たままを言うなら、めーりんがふらんの手に軽く体当たりをした。普通なら。普通のめー りんが相手なら、ふらんの指と爪がその身体を抉り取っていただろう。 跳ね返ってきた衝撃は大きかった。 慌てて後ろに飛退くふらん。 「うあ。ふらんのうでが……」 右手が壊れていた。五指があらぬ方向にひしゃげ、前腕に新しい関節が増えている。肘 もおかしな方向に曲がっていた。裂けた皮から、餡子がこぼれている。右腕は動かない。 これでは治療するまで使い物にならないだろう。 不思議と痛みは無かった。意識が追い付いていないらしい。 「じゃ~お」 ぽよん、と。 めーりんが跳んだ。 ゆっくりと。のんびりと。だが、ふらんの頭より高く跳び上がり、近付いてくる。それは風船 が動くような軽さだった。ぶつかっても痛みもないだろうと思わせるほど。 だが、そこに映るのは明確な死だった。 「もうこんてぃにゅーできなくなっちゃうわ!?」 ふらんは近くに落ちていた拳大の石を左手で掴み、めーりんに叩き付けた。 ガコッ。 粉々に割れた石が地面に落ちる。 ふらんは左手を下ろした。右腕のように目に見えたダメージはない。だが、肩から先の感 覚が全部消えていた。左腕が無くなってしまったかのように。 もし素手で受けていたら、どうなっていだろう。 「………」 唾を呑み込み、ふらんはめーりんを見る。絶対に勝てない。付け入る隙も無い。捕食種と 赤ゆっくり。それほど、いやそれ以上の差だった。理解を超えた圧倒的な強さ。 「これが『き』をつかうことじゃお」 赤い瞳をふらんに向け、めーりんが頷く。 「ひつようなとき、ひつようなすべを、ひつようなそくどでしようするじゃお。そのタイミングを しることじゃお。かんぜんなタイミングをてにいれているなら、もはやそこにはそくどさえもい らないじゃお」 「うー……。おわった……ど……」 道場の玄関に手をつき、れみりゃは肩で息をしていた。流れ落ちた汗がコンクリートに小 さな染みを作る。父の元に預けられてから一週間が立っていた。 「むきゅ。マラソンおわってもうごけるていどには、たいりょくついてきたわね」 れみりゃはぱちゅりーを見る。 最初は途中で気絶していた。だが、今は一応最後まで走り終えることができる。れみり ゃの身体は、この地獄に適応しようとしていた。適応せざるをえない。 ぱちゅりーが空を見上げ、口を開く。 「ふらんがしゅぎょうしているらしいわ」 「う?」 れみりゃは妹を思い浮かべた。 妹のふらん。正確には姉だが、れみりゃにとって年齢は関係なくふらんは妹だ。可愛く元 気な妹だが、理不尽な暴力が玉に瑕だった。いつもいきなり思いついたように殴りかかっ てくるふらん。思い返してみると、久しく殴られていない気がする。 「ふらん、が……? しゅぎょう……?」 嫌な予感がれみりゃの背を撫でる。 その予感は的中した。最悪な形で。 「おばあちゃんのところのめーりんにでしいりしたわ。むきゅ。あのめーりんはぱちぇのらい ばるなの。とってもつよいわよ。ふらんもきっとものすごくなってくるわね」 重機のような腕を動かしながら、ぱちゅりーが獰猛な微笑を見せる。 「それはたいへんなんだど……」 ふらんよりも強くなろうとしているのに、ふらんはさらに強くなってしまう。必死に鍛えても、 ふらんがさらに強くなっていては、意味がない。 ぱちゅりーが大きく腕を振る。 「そうね、たいへんよ。だから、ぱちぇのとっておきをおしえてあげるわ。れみぃにおんそく のせかいをみせてあげる。これでふらんもこなごなよ!」 「おん、そく……?」 音速。 その単語に、れみりゃは嫌な予感しか覚えなかった。 賽の河原にて。 れみりゃは石に座ってため息を付いていた。 「こぶしでおんそくこえるって、むちゃなんだど……」 ぱちゅりーが見せた音速。最大速度が音速に達する無茶苦茶な突きだった。曰く、全身 を無数の関節として加速する。ぱちゅりーが拳を突き出した瞬間大爆発が起り、れみりゃ はまたここに来ていた。超音速拳の余波で吹っ飛ばされたらしい。 「というか、なんでれみぃはこんなことしてるんだど……? れみぃはただ、ふらんといっし ょになかよくくらしたいだけなんだどー……」 れみりゃの前にはこまちが座っていた。横に鎌が置いてある。 「まあ、こまちにはよくわからないけど、あんたもたいへんだねー。まいにちいったりきたり。 いまはてもあいてるしひまだから、ぐちくらいはきいてあげるよ」 「ありがとなんだどー」 「どうしてこんなことになってるんだど……?」 れみりゃは小声で自問した。 一ヶ月半の鍛錬を経て、れみりゃの筋肉は成長していた。ぱちゅりーのような異様な形 ではないが、街路樹の枝程度には逞しくなっている。以前のふらんと戦ったらさほど苦労 もなく勝てる。その程度には成長していた。 「おねえさま、ひさしぶりね」 正面に目を向けると、ふらんがいた。前に見た時よりも一回り細くなっていた。どのような 修行をしたのかは分からない。痩せたとは違う。窶れたわけでもない。鋼鉄を削り、研ぎ、 一振りの刃に変えたような変化だった。 「あのぶたまんじゅうが、ずいぶんとたくましくなったみたいだけど、ふらんはもーっとつよく なったわ。だから、しね! ぶちまけてしね! ごみのようにしね! そしてもげろ!」 ふらんは満面の笑顔で親指を真下に向ける。 ぱたぱたと嬉しそうに羽を動かしていた。 「がんばりなさい、れみぃ! たたきつぶしてやるのよ!」 「おう、れみりゃ。一応お前もうちの看板背負ってるんだ。負けるんじゃないぞ」 れみりゃの後ろの応援している父親やぱちゅりー。 「ふぇっへっへ。試し割の相手としちゃぁ上等じゃないか。捻ってやりな、ふらん」 「ちゅーごくよんせんねんのれきし、そのちからをみせてやるじゃお」 ふらんの後ろでは祖母と老めーりんが応援をしていた。 近くにある運動公園にて、れみりゃとふらんは対峙している。色々あった末に姉妹の決 着を付けると決闘の場が用意された。れみりゃは遠回しに止めさせようとしたが、誰も相手 にせず今に至る。もはや引き返せない。 ただならぬ雰囲気に野次馬も集まりつつあった。 「審判は俺だ」 れみりゃとふらんの間には、飼い主の男が立っている。 「勝った方には洋菓子屋サクヤのカスタードプリンご馳走してやるぞ」 「さくやぷでぃ~んぐ……。ごくり」 出てきた単語に、れみりゃは涎を呑み込んだ。 洋菓子屋サクヤ。近くにある有名なお菓子屋で、さくやがマスコットをしている。そのプリ ンの味は絶品で、遠くから買いに来る者も多い。れみりゃとふらんは一口だけ食べた事が ある。その時はあまりの美味しさに気絶しかけた。それほど美味しいのだ。 「あははは! ぷでぃーんぐはふらんがいただくわ!」 瞳に赤い輝きを灯し、ふらんが牙を見せる。 「わかったど……」 れみりゃは右手を握り込んだ。小指から人差し指まで、緩く握り締める。余計な力は入れ ず、だが気は緩めずに。体内の謎肉が熱を帯びるのが分かった。 「こうなったら、やってやるんだどおおおお! ふらんもたおして、おねえさまのカリスマをと りもどすんだど! それから、さくやぷでぃ~んぐもいただくんだどおおお!」 れみりゃが駆け出した。 胴付きれみりゃののたのた走りではない。しっかりと地面を踏みしめ、勢いよく地面を蹴 り、身体を前へと撃ち出す疾走。小さな羽がなびく。修行の成果だった。 「かくごしろおおお、ふらんんっ!」 「おねえさまああ、しねえええ!」 ふらんが笑った。 過去SS anko4193 BGM 真ゲッターロボ anko4158 お帽子さん、外れてね anko4147 ぐんまりさ迷子になる anko4144 いたさなえ anko4128 ちぇん CV:若本規夫 anko4109 ゆっくり・ボール・ラン 2nd STAGE anko4108 ぱちゅりーの居場所 以下略
https://w.atwiki.jp/leihuiyingxiong/pages/53.html
お気軽にコメントください。 - Leihuiyingxiong◆ (2021-11-29 08 00 10)
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/4691.html
『ゆっくりのごみばこ』 11KB 小ネタ 加工場 人間なし 独自設定 失礼します ゆっくりのごみばこ *** 小ネタ 加工所 人間なし 独自設定があります。 既出ネタだったりネタかぶりしてしまっていたらすいません。 *** 今や日本各地の公園に一つは必ずあるゆっくり用ゴミ箱。 ドラム缶をひとまわり小さくしたような形状であり意外と大きい。 形はドラム缶よりはずっと近代的であり、塗装はいろいろとあるが、大概は腐食に強いステンレスで作られている。 通常の場合「ゆっくり用」と大きく書いてある下に「ゆっくり以外は捨てないでください」と注意書きがあり、 そのまた下に「YUKKURI ONLY」と英語表記してある。 近頃はゴミは持ち帰ってください、という名目でゴミ箱を設置しない公園も増えてきているのだが、 そんな公園でも必ずゆっくり用ゴミ箱は設置してある。 見た目は、少し傾斜がついた上部に大きく投入口があって小さな太陽光パネルがついているだけである。 ここで発電された電力がなんのために使われているのかは意外と知られていない。 電力は投入口の近くに内蔵してあるアンテナ装備と簡易的な無線LAN通信装置に使用されている。 そして、底部には重量計がついていて、重量が規定の8割に達すると加工所に通信がいくようになっている。 そう。通常の燃えるゴミなどは市区町村が管轄しているが、ゆっくり用ゴミ箱は加工所が管理しているのである。 集まったゴミ(ゆっくり)の収集もまったくの無料でやってくれるし、ゴミ箱の設置料も完全に加工所の負担である。 では、この事業は加工所の奉仕事業なのであろうか? 順を追って見てみよう。 *** ここは日本のとある市の自然公園である。 ここにはゆっくりの群れがいくつかあり、たまに一斉駆除も行われる。 一斉駆除によって捕獲されたゆっくりがゆっくりフードに加工されているのは、有名な話である。 午前十時頃、この公園で気分爽やかにランニングを楽しんでいたお姉さんに、 いままさに一匹のゆっくりが迷惑をかけようとしていた。 「にんげんざんおねがいでず、でいぶのおぢびぢゃんをだずげでぐだざいいいいいいいい!!!!」 薄汚れた野良れいむが突然お姉さんの足元に飛び出すと、そんなことを言い出した。 『はぁ、はぁ……なんなのよこいつは』 息を切らしながらお姉さんは眉をひそめた。 「おぢびぢゃんがえいえんにゆっくりしそうなんでず!!! おぢびちゃんだけでいいから飼ってくだざい!!!」 れいむの飛び出してきた草むらの中には更に薄汚い子まりさの姿があった。 『はぁ? 馬鹿いうんじゃないわよ』 「ぞんなこといわずにお願いしますうううう!!! いっしょうにいちどのお願いですからああああああ!!!」 『ちっ』 お姉さんは舌打ちすると、走り去ろうとした。 が、すぐにそれを止めて再び立ち止まる。 目の前にゆっくり用ゴミ箱があったのだ。 公園の反対側にあったならともかく、目の前にあるのだから、これは善良な市民としては捨てていったほうがいいだろう。 でも、手が汚れるしなぁ。 『わかった。飼ってあげる』 「ほんとですかああああああ!!!???」 『おねえさんはゆっくり大好き人間さんだからね』 「やったああああああああ!!! これでれいむも飼いゆっくりだよおおおお!!!」 馬鹿かこいつは。と思ったが、お姉さんは一瞬青筋を浮かべただけでなにも言わない。 『でもおねえさん、れいむたち二ゆんだけじゃ物足りないなぁ。飼いゆっくりになりたいゆっくりみんな連れてきてくれない?』 「ゆっ……!!!! ほんとですかあああああ!!!??? つれてくるよおおおおお!!!」 『じゃ、その間わたしはもう一周走ってくるからね。私に飼われたいゆっくりとおちびちゃんを連れてあそこで待っててね』 お姉さんはゆっくり用ゴミ箱を指さして言った。 *** お姉さんが一周三キロコースの公園をぐるりと走ってもどってくると、 ゆっくり用ゴミ箱の近くには10匹以上のゆっくりがたむろしていた。 「おねえさあああん!!! ここだよおおお!!!」 さきほどのれいむが叫んでいた。 『お、いっぱいいるなぁ』 お姉さんは無言でゆっくりの群れに近づくと、手近なちぇんを手に持ってゆっくり箱に落とした。 「おそらをとんでるみた」ガコン 「どぼじでちぇんをゴミばこさんにいれちゃったのおおおおお!!??」 「ちーんぽ!!! みょんはゆっくりしないでにげ――おそらをとんでるみた」ガコン 「くちょばばあはゆっくちちにぇっ!! おちょらを」 「やべでええええええ!!! それれいむのおちびちゃん」 ガコンッ 「おちびちゃあああああああああああん!! おそらをとんでるみた」ガコン うるさいれいむを捨てると、清々したとばかりにお姉さんは残りのゆっくりもぜんぶゴミ箱に入れ、手を洗いにお手洗いのほうに向かっていった。 ごみ箱の中では、捨てられたゆっくり立ちが折り重なるように積み重なっていた。 このごみ箱はつい三日前に回収されたばかりで、まだあまりゆっくりは入っていない。 れいむがごみ箱のなかにはいると、どぼんっと音がして体が水につかった。 「あぶっあぶっおみずさんはゆっくりできなっ おぼれりゅ」 わざわざ口を開けてそんなことを言っているうちに、水がれいむの口に入った。 「ぐぢゃいいいいいいいい!!!!」 臭い。そう言うしかない。 花の匂い、お菓子の匂い、そういったものがゆっくりできる匂いだとすれば、 その対極にある概念を凝縮したような匂いがれいむを襲う。 それはゆっくりの死臭であった。 三日前に回収されたすぐ後に、たっぷりと防腐剤が入った水の上におちてきたゆっくりは、 今はもうどの種だったのか解りようがないが、三日のうちに水の中に完全に溶けて死臭を発散させていた。 「わがらだいよおおおおお!!!」 「ちんぽくさいよーーーー!!!」 絶叫につぐ絶叫。 臭い、臭い、ここからだして。 「ゆっぐぢ!!! ゆっぐぢいいい!!!! ゆっ……」 元々体力の衰えていた子まりさはまっさきにえいえんにゆっくりした。 「おぢびぢゃん! おぢびぢゃあああああん!! ごんなのやだぁ!!! やだよぉ!!!! ゆべっ」 上から落ちてきた新たなゆっくりに押しつぶされ、れいむは完全に水の中にのみこまれた。 屍体が溶け混じったゆっくりできない液体に徐々に溶かされながら、れいむは意識を手放した。 ゴミ箱に入ったゆっくりにはたったひとつの将来しかない。 水に溶け、その臭気をはなつゆっくりできない液体の一部となることである。 ** 十五匹目のゆっくりが投入された瞬間、重量計が一定の重量を感知して基盤にそれを知らせ、基盤に埋め込まれた小さなLEDが赤い灯火をともした。 アンテナから無線LANにアクセスしたゴミ箱は、管轄の加工所に短い信号を飛ばす。 翌日、加工所のバキュームカーが来てどろどろになった中の液体を回収していった。 心ない人間が入れたペットボトルや燃えるゴミなどもいっしょくたに回収していく。 (たまにパンパンになった家庭用のゴミ袋を丸々捨てていく人間がいると、加工所は非常に迷惑する) バキュームカーはいくつかのゆっくり用ゴミ箱から液体を回収し、加工所に到着すると内容物を放出した。 放出された内容物はろ過装置にかけられる。 これは加工所の支部によって設備に差があるが、この支部ではかなり大雑把な方法が取られる。 台所の生ゴミフィルターを大きくしたような、耐蝕性金属で出来た籠のようなものに内容物をぶちまけ、上からプレスして水分を抜く。 残るのは多少の内容物(バッジ等)と人間が入れたゴミだけなので、これは産業廃棄物として処理される。 大事なのはゆっくりが溶けた液体である。 加工所のゆっくり加工品でもっとも売れているのは各種ゆっくりフードだが、 次に売れているのは、実はこの液体から作られるゆっくり忌避剤である。 一斉駆除で調達された野良ゆっくりは基本的に人の口にいれられないので、ペースト状にしたあと死臭を消す加工を施してゆっくりフードとなる。 対して、一般市民が邪魔なゆっくりを投入するゆっくり用ゴミ箱のゆっくりは、利用法が確立されていないころは使い道がなく行政がコストを払って処理していた。 ゴミ箱なので、屍体が入ってから数日もたつと腐ってしまう例が多く、 そうなってしまうとゆっくりフードとして加工しても「げろまず味」等にしかならないので生産ラインを作っても採算が取れない。 (「それなりー味」などと比べて非常に需要が少ないためである。生産ラインを作るくらいなら苦味を添加したほうが安くあがるため) そこで考案されたのが忌避剤としての利用である。 まず、ゆっくり用ゴミ箱の中に1/3ほど水を張る。必要以上に腐るとまずいため、この水には防腐剤を十分に入れる。 そうして一般市民がゆっくりを捨てると、中でおぼれながら死ぬ。 溺れ死ぬというのはゆっくりの死因の中でもかなり苦しいほうである。 人間で言う溺死とは違い、体がだんだん水に溶けていくように死ぬわけなので、わりと時間をかけて苦痛を感じながら死ぬ。 加えてゴミ箱の内側にはゆっくりの死臭がこびりついているので想像を絶するおぞましさの中で死ぬことになる。 死臭(これは未だ科学的に分析できていない)はゆっくりが死ぬ時の残留思念のようなものが原因と考えられており、 死ぬ時に苦痛を受ければ受けるほど、その残留思念も強烈な悪意/苦痛を周囲に撒き散らす傾向にある。 なので、お手軽かつ十分に苦痛をあたえ、また後の処理に利点のある溺死という方法がもっとも簡易なものとして採用された。 そうやってゆっくりがたまり、全体の8割まで達すると中はほぼヘドロ状態となる。 ここまで達するまでの時間は長くても良い。 防腐剤のおかげで腐って悪臭がすることはないし、熟成されることで忌避剤としての効果も高くなる。 (そのことでロットにより多少の効果の違いは生まれるが、加工所で混ぜ合わせるのでほぼ均一化されてしまう) そうなると重量計が感知して加工所を呼ぶ。 バキュームカーで内容物を回収し、また防腐剤入りの水を1/3まで再充填しておく。 そして加工所で内容物を加工して、忌避剤として出荷するのである。 この加工所で生産しているのは農業用の業務用忌避剤なのでこのあともう一段階ろ過しただけで出荷するが、 他の支部では何段階も精製して高純度かつ高品質な忌避剤を生産しているところもある。 このような高品質忌避剤はおもに家庭用忌避剤の材料となる。 現在一般家庭で広く使われている忌避剤は、ベランダ等のゆっくり侵入口にただ置いておくだけのタイプである。 これにはまるで水のような無色透明で粘性の少ない液体でありながら、強烈な忌避効果をもつ忌避剤が使用される。 プラスチックでできた150ccほどのタンクに棒が刺さっており、毛細管現象を利用して少しづつ忌避剤を吸い上げて空気中に発散するのである。 これにより半年ほどの間ゆっくりを完全に近づけなくすることができる。 *** 『そろーりそろーり』 いままた、山中からやってきた愚かな野生ゆっくりの親子が人間の畑にやってきた。 『さいっきょう! の智謀をもったまりさはひるまのうちにぬけあなさんをみつけておいたのぜ』 『ゆゆ~~~~ん!!! さっすがれいむのおっと! だよぉ!!!!』 『ゆふふ、このくらい当然なのぜ』 『おちょーさんすごーい!!!』 『さすがまりさのおとーちゃんなのじぇ!!!』 『ゆははは、さいっきょうのまりさにとっておろかなにんげんさんを出し抜くなんてあさごはんさんを食べるよりかんたんなのぜ』 このれいむとまりさの番と、同種二匹の子ゆっくりは人間の作った畑に接近していた。 が、その畑は塀でかこってあり、ゆっくりは入れない。 しかしこれは木の杭を立ててプラ製の波板をピンで打ち付けただけの、考えうる限りもっとも簡易な塀なので、ゆっくりとて頑張れば壊せるだろう。 (高さも人間の膝程度の高さしかない) が、ゆっくりはその選択肢を選ばない。 馬鹿でも見つかるように、畑の端っこのほうにゆっくりが丁度通れる程度の入り口がもうけてあるからである。 その入り口には透明なプラ板が設置してあった。 高さはゆっくりの顔の真ん中あたりまでしかない、どちらかというと長方形程度のプラ版である。 まりさがその板に接触して、顔で押しやると、さしたる抵抗なくすんなり屈した。 クククッ……と押しやられるままにどいていく。 『やっぱりにんげんさんはばかなのぜぇ。こんな板さんでさいっきょうのまりさをどうにかできるとおもってるのぜ?』 まったくなにもない抜け穴と思っていたところにへんな板があったことはまりさにとって予想外だったが、 それもすぐに屈してしまうのなら問題はない。 が、まりさが通り抜けようとした時、 ぴとっ と水滴のようなものがまりさの頭上に一滴おちた。 まりさは気づかなかった。 水滴はおかざりの帽子に付着して染みになっただけだったからだ。 『ゆっ? なんかくさいのぜ』 まりさが異臭を感じ、でどころ不明な匂いをかごうとすると、 突然にむわっとした濃厚な死臭がまりさを襲った。 『ゆっ……』まりさは壮絶な嘔吐感を覚える。反射的に吐き気をこらえるが、こらえきれるものではなかった。 『ゆげっ、げえっ、ゆべっ、ごれなに、いぎでぎな、おぼでるぅ……えべぇ』 断続的にあんこをはきながら、まりさは陸にいながら溺れていた。 この忌避剤はれいむの体の一部が溶けている忌避剤だった。 れいむが感じた絶望感、嘔吐感、壮絶な死臭、怨嗟。まりさが感じているのはそのほんの一部であったが、 同じように死んで混ざっている何百匹のゆっくりがまりさに死に際の感覚をたたきつけていた。 『ゆばぁ……おぶぇ』 そしてまりさの中枢餡は死を選んだ。 中枢餡が崩壊すると、まりさは形を保つことを忘れたかのように自壊した。 お帽子だけを残して液状化してしまう。 が、それを悲しむものはいなかった。 そのころには子ゆっくりたちは爆発するように死んでいたし、 れいむは今まさにまりさと同じゆん命を辿ろうとしていたので、それどころではなかった。 おわり *** あとがき 小ネタはどうしても既出ネタを心配してしまいます。 素数あき いままで書いたもの anko4644 ゆっくり実験 anko4643 ゆっくり試し斬りしていってね! anko4631 鬼井俊明のゆっくり試験 anko4629 おかざりは誰がために
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/4525.html
『二択』 8KB 虐待 家族崩壊 虐待人間 失礼します。 『二択』 過去作 anko4445 anko4449 anko4452 anko4456 anko4461 anko4464 勢いで書いた部分が大きいので、読み辛いと思います。それでもよろしいという方は、どうぞ。 「ゆっくりしていってね!」 私が公園のベンチで一休みしていると、そんな声をかけられた。 足元を見下ろすと、そこにはゆっくりの一家。 「はいはい、ゆっくりしていってね」 私は取り敢えず返事を返してやる。込められた感情は、珍しいな、が3割、面倒だなあ、が7割くらいだ。 珍しい、と言っても、この一家そのものはまりさとれいむの番に、数匹の赤ゆっくりという一般的な構成だ。 ただ、この公園に住んでいるゆっくりは基本的に人間を恐れているから、非常時に一か八か『あまあま』をもらおうとするもの以外は人間には近づこうとすらしない。 だから、声をかけてきたこの一家が物珍しく感じたのである。 「ゆっ! にんげんさんは、ゆっくりしてるにんげんさんだね!」 「ゆっくち! ゆっくち!」 そんな私の内心を知ってか知らずか、返事がもらえたことに喜ぶ一家。 そして、 「ゆっくりしてるにんげんさんは、まりさたちにあまあまちょうだいね!」 それが当然というように、そう宣った。 こいつらは、あれか。ただの馬鹿か。 おそらく、返事をしてくれるような人間だったら、あまあまをくれるに違いないと思ったのだろう。 そこには、何の警戒心もない。 最近では珍しいレベルの餡子脳である。 取り敢えず、その甘すぎる考えに現実を見せてやろう。 「れいむ、まりさとそのおちびちゃん達、どっちが大事かな?」 「ゆ? にんげんさん、なにいってるの? そんなことより、あまあまちょうだいね!」 「何言ってるのもなにも、言葉通りだよ。答えてくれたら、あまあまをあげることを考えなくもない。どっちが大事?」 れいむは、困ったように傍らのまりさを見た。 するとまりさは、微笑みを浮かべ、れいむに頷きかける。 れいむはすぐに私に向き直り、 「ゆっ! まりさもれいむも、おちびちゃんのためならゆっくりできないことでもがまんできるよ! だから、おちびちゃんのほうがだいじだよ!」 自信に満ちた表情で、言った。 「そっか」 私は、れいむに対して笑みを返し、 「じゃあ、まりさはいらないね?」 まりさを思い切り踏み潰した。 「………………ゆ?」 顔にまりさの餡子を付けて、残された一家が呆けた表情を浮かべた。 たっぷりと時間を置いて、 「ばりざああああああああああああああああああ!?」 「「「「「おとーしゃあああああああああああああああん!?」」」」」 一家は、面白いくらいに揃った叫び声を上げた。ただし、別に面白くはない。うるさいだけだ。 「どぼじでごんなごどずるのおおおおおおおおおおおお!?」 すぐに、れいむの叫びは私への抗議へと変わる。 「どうしてって……まりさもれいむも、おちびちゃんのためならゆっくりできないことでも我慢できるんだよね?」 「そんなこといまはかんけいないでしょおおおおおおおおお!?」 「いや、あるよ。だって――」 まりさが大事だったら、おちびちゃんの方を潰してたから。 「…………ゆ?」 私の言葉を聞いて、れいむがぽかん、と口を開ける。 「なにそれえええええええええええ!?」 「いやあ、何それもなにも、人前に出てくるようなゆっくりは潰すのがマナーだしさあ」 言いながら、私は赤ゆっくり達を拾い上げる。 「「「「「おしょらをとんぢぇるみちゃい!」」」」」 「ゆ、はなちてにぇ! かわいいれーみゅがいやがっちぇるよ!」 「おちょーしゃんをころちたくしょにんげんは、ゆっくちちないであやまっちぇにぇ! ぷきゅううううう!」 「ゆんやあああああああ! きょわいいいいいいいい!」 私の手の上で、勝手気ままに騒ぐ赤ゆっくり達。 赤れいむが二匹に、赤まりさが三匹だ。 「おちびちゃんをかえしてねええええええ! いやがってるでしょおおおおおおお!?」 そう要求するだけで何もしないれいむの前に、私は右手に赤れいむ、左手に赤まりさを乗せ、突き出してやる。 「ゆっ! にんげんさん、はんせいしたんだね! そしたら、しゃざいとばいしょうとしてあまあまちょうだいね!」 この後に及んでもまだそんな発言をできるれいむにやや感心しながら、 「まりさ似のおちびちゃん達とれいむ似のおちびちゃん達、どっちが大事?」 もう一度、訊いてやった。 「「「「「ゆううううううううううううう!?」」」」」 驚きの叫びをあげたのは、赤ゆっくり達だ。 れいむは、口をぱくぱくさせているだけである。そろそろ、そういう反応も見飽きてきた。 「早く答えないと、みんな潰すよ?」 だから、取り敢えず急かしてやる。 「ゆ、おきゃーしゃん! まりちゃをたしゅけちぇね!」 反応が一番早かったのは、他よりやや大きな赤まりさだ。 「おきゃーしゃ! れーみゅぎゃきゃわいきゅにゃいにょ!?」 「げしゅのれーみゅにゃんかほっといちぇ、しゃっしゃとまりちゃをたしゅけちぇね!」 それに続き、他の赤ゆっくり達も命乞いを始める。 もう一方のネガキャンをするやつがいるあたり、将来が不安になる――まあ、こいつらに将来なんて無いが。 「さあ、どっち?」 言いながらさらにずい、と手を突き出すと、れいむは砕けるのではないかと思うくらい歯を食いしばりながら、 「れいむににた……おちびちゃんだよ……」 小さな声で、そう言った。 「ゆわーい!」 その言葉を聞き、単純に喜ぶ赤れいむ達。 「ごべんね、おぢびぢゃん……ごべんねぇ……」 「ゆ、おきゃーしゃ、どうちて……」 それと、れいむの泣き顔を交互に眺めながら、赤まりさ達は呆然としていた。 「いやあ、残念だったねぇ、君達」 その赤まりさ達に、私は話しかける。 「でも、仕方ないよ。だってれいむお母さんは、まりさに似てる君達より自分に似てるおちびちゃんの方が可愛いんだから。」 「ゆっ! ちが――」 「違うんなら、どうして『たくさん』いる赤まりさを選ばなかったのかな?」 「ゆぐっ!」 痛いところを突かれ、れいむは押し黙る。「ぼせい」を持つれいむらしい反応だ。 「やっぱり、君達はいらないんだってさ」 「ゆ、おきゃーしゃ、まりちゃは……いらないのじぇ?」 「…………っ」 れいむの沈黙を肯定と取った赤まりさたちは、 「こにょ、くじゅおやあああああああああああ!」 「……ゆっくち! ゆっくち!」 「おきゃー、しゃ」 三者三様の反応を返した。 れいむは目を閉じ、そこから顔を逸らす。 「君達がまりさに生まれたばっかりに、赤れいむ達とずいぶん差が付きましたぁ。悔しいでしょうねえ!」 「ゆ、きゃわいいまりちゃをゆっくちゆるちちぇ――」 そして、左手を、閉じた。 ぐしゃり、という感触がして、左手の上は静かになった。 「ゆ、にん、げん、さん」 何かを言おうとするれいむに、 「さて、どっちのおちびちゃんが大事?」 空いた左手に片方の赤れいむを載せ換え、間髪入れず、私は問う。 「ゆ、あ、もう、やべで……」 「どっち?」 私が詰め寄っても、れいむはがたがたと震えるばかりだ。 そんな時、 「いもーちょをたしゅけちぇにぇ!」 言葉を発したのは、右手の赤れいむだった。 私を含む全員の目が、そこに集まる。 「れいみゅはおねーしゃんだから、いもうちょをまもりゅよ! ぢゃから、いもーちょをたしゅけちぇね!」 キリッという効果音が聞こえそうな表情で、おそろしーしーを漏らしながら、もう一度赤れいむが言った。 「だってさ。それでいい?」 投げやりに私がれいむに聞くと、 「ゆ、おぢびぢゃん、だずげであげられなぐで、ごべんねぇ……。おぢびぢゃんみだいなりっばなおぢびぢゃんにあえで、れいぶば……」 安いお涙頂戴を見せられて不快だったので、取り敢えず右手の赤れいむをそのまま落とした。 「ゆっぎゃああああああああああああああああ!? いぢゃいいいいいいいいいいいいいい!」 即死はしなかったものの致命傷を負い、赤れいむが今日一番の悲鳴を上げる。 「おちびちゃ、すぐにぺーろぺー――」 本能的なものなのか、動こうとするれいむ。 その目の前で、 「ゅぴっ」 私は赤れいむを潰し直した。 すると、れいむは一瞬硬直して、 「おちびちゃん! すぐよくなるからねっ! ぺーろぺーろ!」 すぐにぺーろぺーろを始めた。 潰す前の時点でも無駄だっただろうが、死体にまでやっている姿を見ると、滑稽を通り越して哀れにすら思えるのが不思議である。 「じゃあ、れいむ」 何か、気持ちが萎えてしまったので、私はそろそろ切り上げることにした。 「れいむの『おりぼんさん』と最後のおちびちゃん、どっちが大事?」 「……!」 れいむは、何度も何度も声を出さずに口だけを動かしていたが―― 「おりぼんざん、だよ……」 赤れいむと赤まりさで選ばせた時よりいくらか早く、その結論を出した。 「へえ? どうして?」 「おりぼんざんがなぐなっだら、ゆっぐり、でぎないよ……」 「おちびちゃんがいても?」 「ゆ……ぞう、だよ……」 覚悟を決めた表情で、れいむは言い切った。 「だがら、れいむば、おりぼんざんのぼうが、だいじだよ……」 私は、その言葉を、待っていた。 「じゃあ、れいみゅちゃん。おりぼんさんの方が大事な、嘘つきのれいむお母さんとれいみゅちゃん、どっちが大事?」 潰した一家の残骸をゴミ箱に捨てて、私は元のベンチへと戻ってきた。 そこには、赤れいむだけが残っている。 それを拾い上げ、私は歩き出した。 「ゆ、にんげんしゃん、れいみゅをかいゆっくちにちてくりぇりゅにょ?」 「そうだねえ……」 私は赤れいむの問いに対して、 「れいみゅちゃんは、あまあまいっぱい食べてゆっくり過ごすのと、前と同じように家族と暮らすの、どっちがいい?」 さらに問いを返した。マナー違反? ゆっくり相手だし構わないだろう。 「ゆっ! れいみゅは、あんにゃげしゅとくらすより、あみゃあみゃいっぴゃいたべられるほうがちあわちぇー! ぢゃよ!」 予想通りの答えに、 「そっか」 私は短い応答の言葉を返す。 「まあ、何て答えても、結末は一緒だけどね」 そして、手のそれをゴミ箱に放り込んだ。 後書き もっとじっくりと描写できるようになれば、より良いものが書けるようになるとは思うんですが。難しいです。 ここまで読んでいただき、ありがとうございました。 それから、感想版にて『台風の目』を考察してくださった3038様、ありがとうございます。